収支計画書での具体的な数字の出し方(1)~売上、仕入、経費~
収支計画書の作成手順だけを見てみれば売上から、仕入、経費、税金を差し引いた利益を出すだけですの、 で非常に簡単なような気がします。
しかし、問題はその売上、仕入、経費をどのように決めていくのか、また、どれから決めていけばいいのか、 ここが非常に難しいところだと思います。
これについて、どれから決めていけばいいのかについて、順に説明していきたいと思います。
1.経常利益の決定
まず、経常利益から決めていきます。
経常利益とは、売上から、税金以外を引いた利益になります。
経常利益が多い事に問題はありませんが、現実的な数字でなければ、 金融機関の担当者に不信感を与えてしまいます。
では、どのような数字が現実的なのでしょうか。
これは、借入希望額の半分くらいに設定するのがいいかと思います。
なぜ、借入額の半分なのかについてですが、これはその後の当期純利益と返済期間の関係性にあります。
金融機関が返済期間として指定する日数はだいたい3年~4年くらいです。
この期間で返済できる収支計画書を作成していかなくてはいけません。
例えば借入希望額が500万円だとします。そうした場合、 経常利益を250万円と設定すると当期純利益は70万円くらいになります。
この70万円があなたの返済能力です。
ここから、仮に15万円ずつ返済すれば、金融機関が指定する期間で十分返済可能ですし、無謀な返済計画ではありません。
2.年間売上・仕入・経費の決定
日本政策金融公庫では売上予測について以下のような目安を定めています。
| ①販売業など | 販売業で店舗売りのウェイトが大きい業種 (コンビニエンスストアなど) <算式> 1㎡(または1坪)当たりの売上高 × 売場面積 [設例] 業種:コンビニエンスストア ・売場面積 100㎡ ・1㎡当たりの売上高(月間) 14万円 (「小企業の経営指標」による業界平均から算出) 売上予測(1ヵ月)=14万円×100㎡=1,400万円 |
|---|
| ②サービス業関係業種 | 飲食店営業、理・美容業などサービス業関係業種 <算式>客単価 × 設備単位数(席数)× 回転数 [設例]業種:理髪店 ・理髪椅子 2台 ・1日1台当たりの回転数 4.5回転 ・客単価 3,950円 月25日稼働 売上予測(1ヵ月)=3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円 |
|---|
| ③労働集約的な業種 | 労働集約的な業種(自動車販売業、化粧品販売業、ビル清掃業など)
<算式> 従業者1人当たりの売上高 × 従業者数 [設例] 業種:自動車小売業 ・従業者 3人 ・従業者 1人当たりの売上高(月間) 274万円 (「小企業の経営指標」による業界平均から算出) 売上予測(1ヵ月)=274万円×3人=822万円 |
|---|
| ④部品製造業、印刷業、運送業 | 設備が直接売上に結びつき、設備単位当りの生産能力がとらえやすい業種 (部品製造業、印刷業、運送業など) <算式>設備の生産能力 ×設備数 [設例]業種:部品(ボルト)加工業 施盤 2台 1台当たりの生産能力 1日(8時間稼働)当り500個 加工賃@50円 月25日稼働 売上予測(1ヵ月)=50円×500個×2台×25日=125万円 |
|---|
これは全て1か月ベースのデータですのでこれを1年ベースに直していきます。 また、上記のデータはあくまで目安ですので絶対に従う必要はありません。
次に、仕入に関してですがこれも業種ごとに目安があります。
よく「原価率」という言葉を聞くかもしれませんが、それは仕入が全体の何パーセントを占めているのかです。
飲食店であれば原価率30パーセントくらいに抑えられれば良いとされています。
だいたいの人がこれまでの経験を生かした事業を始めますので、経験上の原価率を記載しても全く問題ございません。
最後に経費の具体的な数字を決めていきます。経費の項目として挙げられるのが管理費や販売費です。
これらは、固定のものと変動のものとに分けることができます。
固定費とは、売上などに関係なく、毎月決まった管理費や販売費のことです。
経費に関してはまず、固定費の具体的な数字から決めていくことになります。
固定費として考えられるもの
- 経営を行っていく事務所、店舗の家賃や駐車場代
- 固定資産を持っている人は減価償却費
- 法人もしくは5人以上の個人事業の場合は、法定福利費
- 法人の場合は、自身の役員報酬
- 定額払いの保険料など
変動費として考えられるもの
- 水道光熱費
- アルバイトを雇う場合は人件費
- 消耗品
この段階で収支計画書が行き詰ってしまったら、最初の経常利益を修正して、帳尻合わせを行ってください。
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